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詩 『 赤い帽子に包まれた子猫 』
詩集 赤い帽子に包まれた子猫
       ぼくは子猫
       生まれてあんまり経っていない子猫
       



詩 『 赤い帽子に包まれた子猫 』_a0001563_20485072.jpg       
       ぼくはまだ身体も小さいし
       逃げ足もそんなに速くない
       だからぼくは
       すぐにきみらに捕まってしまう
       ぼくを捕まえたきみらは
       ぼくを軽々と持ち上げて
       ちっこくてかわいいって言いながら
       ぼくの頭や身体を撫でまわす
       撫でてくれるのは
       うれしいんだけれど
       でも でもね
       もっとやさしくして
       乱暴にするから
       頭をこんこんと
       叩かれているようで
       ちょっと痛いよ
       
       ぼくは
       ちょっとは大きくなったから
       ちょっとくらいは
       高い所から飛び降りれるようになったよ
       そう言えば
       きみらに初めて会ったとき
       ぼくは高い所から飛び降りて
       きみらから逃げようとしていたね
       それをきみらは覚えて
       ぼくをまた
       高い所から飛び降りようとさせる
       こわいよ こわいよ
       あのときは
       きみらから逃げるのに必死だったから
       あんなに高い所から飛び降りても平気だったけれど
       でもいまはこわいよ
       こんなに高い所から飛び降りるなんて
       考えただけで
       こわくて足がすくんじゃうよ
       
       ぼくはね
       子猫だよ
       小さいけれど
       ちゃんと痛みは感じるし
       小さいけれど
       ちゃんといのちはあるんだよ
       だからね
       飽きたらぽいっと捨てちゃう
       きみらのおもちゃなんかにしないでよ
       ねっ
by dreaming_star | 2004-08-28 20:47 |
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