人気ブログランキング | 話題のタグを見る
詩 『 台風 』

       今朝ほどから吹き付ける強風が
       声色を変え
       ゴーゴーヒューヒューと唸っている
       きっちり閉めた筈の窓の隙間から
       空恐ろしい声が轟き
       街路樹はみな
       ワッショイワッショイ
       神輿を担ぎ騒ぎ立てる
       カーンカーンカーン
       軒先に垂れ下がる看板は
       打ちつけサイレンを鳴らし
       ぼくは
       台風の進路上に程近い
       知人に電話をかけ
       留守番電話に留意の伝言を残す
       接触の悪い蛍光灯が
       ピカピカーン
       数秒後に灯るように
       知人から折り返しの電話がかかる
       安堵しながらも
       知人の明日の安否が気にかかる
       カーンカーンカーン
       看板の激しく打ちつける音が聞こえてくる
       明日の台風情報を伝えるニュース
       真っ暗で見えない大粒の雨に
       早く過ぎ去って欲しいものだと思いながら
       ぼくは
       強風を静めるように
       きっちりと窓を閉め明日に備える
by dreaming_star | 2004-07-31 20:43 |
<< のらねこ物語94 『 いつでも... のらねこ物語93 『 せみがな... >>