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詩 『 自慢と我慢 』

       ぼくは自慢が苦手である
       自分が自慢するのも苦手だが
       ヒトが自慢するのはもっと苦手だ
       自慢をするものの顔は
       見るに耐えない
       たて髪を靡かせ
       颯爽と駆ける荒馬のごとく
       その姿は
       勇ましく
       優美に見えるかも知れない
       だが
       一端近寄ると
       薄ら笑いをしてしまうほど
       滑稽な顔がそこにある
       鼻の穴を膨らませ荒々しい鼻息
       自の世界の悦に浸る大きく見開いた目
       どうだ、見てみろ!
       おれ様はこんなにもすごいんだぞ!
       声高に今にもそう叫び出しそうな口元
       こういう顔を見ると
       ぼくは
       おぞましさのようなものを感じるのだ
       
       ぼくは我慢は大丈夫なようである
       例えぼくが少しも悪くなくとも
       ヒトが理不尽なことを言い
       叱られ罵られることには耐えられる
       苛めのような
       陰険なものになると話は別だが
       少しばかりヒトより余計に
       そういう目に遭っても大丈夫なのだ
       受け入れられるとも言うのだろう
       目には目を、歯には歯を
       という 同害報復の精神を
       どうやらぼくは
       持ち合わせていないようだ
       
by dreaming_star | 2004-06-25 22:14 |
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