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詩 『 きもちは新鮮 』

       きもちは新鮮
       きもちは生きている
       すぐに届けなければ
       きもちは死んでしまう
       
       だからね
       ぼくは
       いま届けられないきもちを
       真空パックに詰め込んで
       冷凍保存したのさ
       いま届けられないから
       冷凍庫でカチカチに凍らせれば
       新鮮なきもちは
       たちまち固まって
       そのままのかたちで残るだろうと
       
       だけどね
       冷凍されたきもちは
       死んでしまったのさ
       冷凍したときじゃないよ
       冷凍庫から取り出して
       解凍しているとき
       電子レンジでチン
       解凍してたらね
       あんなにふっくらとしてたきもちが
       空気の抜けた風船みたいに
       しわしわに萎んじゃって
       萎れた花みたいに
       カラカラに乾いちゃって
       ぎゅっと握った手のなかで
       粉々になって
       死んでしまったのさ
       
       真空パックしても
       冷凍保存しても
       レンジでチンしても
       きもちは
       いまの
       そのままの
       きもちじゃなくなるんだ
       
       きもちは新鮮
       きもちは生きている
       いま届けなければ
       きもちは死んでしまう
       
詩集 きもちは新鮮
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by dreaming_star | 2004-09-30 21:48 |
詩 『 天邪鬼 』
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                        なぁ、おまえ
                        なんでいつもそうやって
                        何でもひとりで
                        背負い込もうとするんだよ
                        
                        よせやい、肩肘張るのは
                        目ん玉むいて
                        肋骨を浮かび上がらせ
                        両腕両足を
                        わなわな震わせているおまえは
                        いまにも押しつぶされそうだぞ
                        
                        いいから、貸せよ
                        ぼくも
                        いっしょに
                        背負いたいんだよ
詩集 天邪鬼 写真 妙宣寺墓地の天邪鬼(尾道)
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by dreaming_star | 2004-09-30 20:42 |
詩 『 雨の日の朝 』
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       斜め前に差した傘を
       忙しなく雨が打つ
       空恐ろしい呪文を聞いたように
       ぼくは両手で雨を遮る
       
       傘の合間をすり抜けて
       ほの香る風が鼻先を擽る
       そっと抱き寄せる母親のように
       金木犀の香りがぼくを包み込む
       
       目覚めたばかりの赤子のように
       ぼくは金木犀を探す
       持ち上げた傘影から覗いた先に
       橙黄色の小さな花が咲いていた
詩集 雨の日の朝
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by dreaming_star | 2004-09-29 21:57 |
詩 『 十五夜 』

       夜
       雨音を聞きながら
       今夜見るはずだった
       月影を眺める
       
       雨
       無情にも降り止まず
       雨足を強めるばかりで
       影さえも見えず
       
       音
       五感を研ぎ澄ましても
       聴く雨音は
       雑念を増すばかり
       
       無
       月夜半分闇夜半分
       十五夜の雨が
       世情を映す

詩集 十五夜
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by dreaming_star | 2004-09-28 21:29 |
のらねこ物語144 『 あさですよ 』
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のらねこ物語 朝ですよ

朝ですよ
起きてくださーい。
こらっ、起きろ
起きなさいっ!

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by dreaming_star | 2004-09-28 06:22 | のらねこ物語
詩 『 不安 』

       不安が無秩序に頭の中を過る
       ぼくの背がもう十センチ高ければ
       少しは違う世界が見えただろうとか
       ぼくの声がヒバリのように美しければ
       少しは様になっていただろうかとか
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by dreaming_star | 2004-09-27 22:34 |
詩 『 ジャンケン 』

       ジャンケンをしましょう

       最初はグーです
       その次に
       ぼくはチョキを出します

       いいですか?
       じゃぁいきますよ

       最初はグー
       ジャンケンポン!
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by dreaming_star | 2004-09-27 07:10 |
のらねこ物語143 『 あきですね2 』
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のらねこ物語 秋ですね2

立ち止まると
いままで見えなかった
秋が見えてきました。

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by dreaming_star | 2004-09-27 06:29 | のらねこ物語
詩 『 風が吹く 』

       感情の嵐が吹き荒れていた頃
       窓辺から見るコスモス畑には吹く風はなかった
       例え風は吹いていたとしても
       その風は感情の嵐の中にいるぼくには吹かなかった
       
       吹き止まぬ嵐はない
       感情の嵐も次第に勢力を失いぼくのこころを過ぎ去って行った
       見上げた空は嵐の跡形もなく秋晴れの青空が広がっていた
       どっかりと胡座をかく白い雲を風が重そうに後押ししていた
       
       風の子どもたちがコスモス畑にやって来た
       ぼくは子どもの頃したようにコスモス畑に身を埋め風の声を聴いた
       コスモスたちは薄っすらと桃色に頬染めて顔を揺らし
       風の子どもたちは口笛を吹きながらコスモス畑を駆け抜けて行った
       
       また風が吹いてきて別の風の子どもたちがやって来た
       ぼくはコスモス畑からひょっこりと顔を出し
       風の子どもたちに口笛の吹き方を教わった
       ようやく口笛が吹けるようになった頃
       ぼくは大切なことを忘れていたことに気付いた
       詩集 風が吹く
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by dreaming_star | 2004-09-26 22:22 |
のらねこ物語142 『 あきですね 』
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のらねこ物語 秋ですね

秋ですね。
物思いに耽る秋ですね。

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by dreaming_star | 2004-09-26 07:21 | のらねこ物語