カテゴリ:詩( 266 )
詩 『 流星 』

       こいぬ座
       いっかくじゅう座
       おおいぬ座
       オリオン座
       おうし座
       ペルセルス座
       ぎょうしゃ座
       やまねこ座
       ふたご座
       くるくる回る星座の中に
       首をもたげて待つ
       
       星が流れる
       光跡の長い尾を引く星
       ぼくは口をあんぐりと開け
       そのまま凍りつく
       凍てつく風に吹かれ
       凍えたのではなく
       流星の流れる様
       流星の数だけ
       ぼくのこころは蕩けてしまった
       
       ぼくは流星を言葉に出来ないでいる
       ぼくは感銘のうめきを漏らすばかり
       光跡が消えてしまった後も
       その場から動くことも出来ない
              
       東の空が赤紫色に色付き始め
       じわりじわりと染み出す陽光に
       薄れていく星の光が消えてなくなっても
       あの流星の輝きを忘れられないでいる
詩集 流星
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by dreaming_star | 2004-12-14 23:27 |
詩 『 きみによく似たひと 』

       鳥居の脇にあるベンチ
       きみはよくそこにいた
       昼間の太陽はまだ眩しかった頃
       きみのからだをすっぽり包み込む
       朽ちかけた木製のベンチの下で
       きみはぼくを待っていた
       あの日からずいぶんと経ち
       もうベンチの下に
       きみの姿を見ることはない
       踏みつけてしまいそうになりながら
       駆け上った石段にも
       石段脇に並ぶ灯篭の影にも
       きみの姿を見つけられない
       ぼくは視点の定まらない視線を
       泳がせることもなくなった

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by dreaming_star | 2004-12-12 21:46 |
詩 『 アンゴウ 』

       今更、公言することでもないのだが
       ぼくはアンゴウが好きである
       
       ごく普通に眺めると
       羅列しているに過ぎない文字たち
       その羅列する文字たちの
       見方、視点を変えると
       何の変哲もないオブジェが
       鏡に映し出されるグランドピアノのように
       今まで、
       何の意味も持たない文字たちが
       ある法則に従い、暗号を解いて
       文字たちが自然と暗合し歌いだす
       
       そんな詩を
       ぼくは
       創りたいと思っている
       
       でも、
       いまのぼくは
       その思想を膨らませるばかりで
       その思いは
       夜毎吹く暗風に浚われている
       
       暗香が漂い始めるころ
       暗唱出来ればと思っている
       
       暗示した文字で
       振り返る言葉を
       暗躍出来る詩を
       ぼくは
       いつか
       創りたいと
       思っている
詩集 暗号,暗合,アンゴウ
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by dreaming_star | 2004-12-09 22:17 |
詩 『 憎まれ口 』

       憎まれ口ばかり
       利いているきみだけれど
       ぼくのことを
       本当に
       分かっているのは
       きみだけだと
       思うときがある
       
       バカヤロウ
       その声と共に
       震えるきみの
       瞳を見たとき

詩集 憎まれ口
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by dreaming_star | 2004-12-08 22:10 |
詩 『 あいさつ 』

       天気の良い休日は
       ぼくの自転車日和
       風を切ってシャカシャカと
       自転車を走らせると
       こころの中のもやもやが
       すーっと消えてなくなる
       そんな気分になれるから
       傾斜30度くらいもありそうな
       坂道だって上っていける
       
       そんなぼくの気持ちが
       みんなに分かるのだろうか
       おはようさん、こんにちは
       風のようにすーっと
       街を走り抜けるぼくに
       道行く人が声かける
       よくすれ違うおじさんは
       ハンドル握る手を上げ
       チャオ
       そう言う仕草を見せ
       風と共に去っていく
       
       あいさつはいいものだ
       ぼくのこころに風が吹き
       名前も知らない人たちの
       声がぼくの追い風になり
       そのひと言でみんなを
       笑顔にするから

詩集 あいさつ
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by dreaming_star | 2004-12-05 22:26 |
詩 『 ほろ苦い体験 』

       あのとき
       ぼくは
       小学一、二年生だった
       あのとき
       ぼくは
       友人とふたり下校していた
       
       あれは
       秋の風が吹き始めた頃だった
       一点の曇りもない空
       手を伸ばしても届かない空が
       高く、遠くに感じられた
       秋晴れの日のことだった
       

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by dreaming_star | 2004-12-04 21:21 |
詩 『 コタツとみかん 』

       ぼくのうちに
       今日からコタツが登場した
       ぼくは途端に
       コタツの虫になる
       
       「かぁさーん、みかん持ってきて。
        それから、
        そこにある新聞もね。」

詩集 コタツとみかん
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by dreaming_star | 2004-12-03 22:42 |
詩 『 銀杏 』
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       見るはずもない
       駅の改札に
       黄金色の
       花が舞う
       
       駅の改札
       きみは
       いつものように
       ポケットから
       定期券を取り出し
       駅員ににこり
       笑顔を見せる

       はらり
       銀杏の花が舞う

       ぼくは銀杏を拾い
       クルクルと枝を回しながら
       秋の色を確かめる
       
       もうそろそろ
       秋も終わりだね
       
       ぼくは
       きみの後姿に
       そう声をかける
詩集 銀杏
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by dreaming_star | 2004-12-02 23:08 |
詩 『 師走 』

       十二月と言うと
       なにかしら
       忙しない気持ちになる
       それは
       月の別名
       「師走」という
       呼び名から
       来ているのであろう
       
       昔から
       十二月は
       僧侶が走る月であった
       先祖供養のため
       家に僧侶を招き
       お経をあげてもらうという
       風習があったからだ
       家々を走り回る
       その僧侶の姿から
       十二月は師(僧)が走る月
       「師走」
       と言われるようになった
       
       師(僧)が走る月
       十二月がやって来た
       僧侶は走り回り
       家も忙しなくなる
       
       窓辺でのんびりのほほんと
       日向ぼっこしていたぼくも
       ようやく重い腰を上げる気になる

       「よっこらしょ」

       師走がぼくの背を押した
       
詩集 師走
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by dreaming_star | 2004-12-01 23:38 |
詩 『 編物のレッスン 』

       まだ幼い少女が
       編物をしている
       二本の棒針を操る手はおぼつかなく
       ひと目編むごとに
       棒針を支える人差し指を放し
       少女は
       その指先で
       編み目を確かめている
       
       その側で
       母親も編物をしている
       その手先は
       軽快なリズムで鍵盤に
       指を滑らせるピアノ演奏者のように
       母親は
       毛糸の間に
       棒針を支える指を滑らせている
       
       母親は少女の指先に目を向け
       「そこはね、こうするのよ」
       少女を背後から抱く格好になり
       少女の手を取り
       少女の頭に顎を乗せ
       母親は手ほどきをする
       
       口では説明出来ないことを
       母親は
       少女の手を取り
       教えようとしている
       
       温かな毛糸の感触と
       編物のレッスンを通して
       ものを作る楽しみと
       完成した時の喜び
       そして、
       人と触れあうぬくもりを
       母親は少女に
       教えようとしている
詩集 編物のレッスン
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by dreaming_star | 2004-11-30 23:27 |