カテゴリ:詩の目次1-100( 83 )
詩 『 行け、諦めるな! 』
       
       
       そんなしょぼくれた顔するなよ
       
       赤く腫れた頭皮を痛々しそうに覗かせた君は
       姿を見せはするがそれ以上近づいてこようとはしない
       温厚な君が珍しいな、けんかなんかするなんて
       そんなことくらい分かるさ、君の目を見ればすぐに分かる
       
       今にも泣き出しそうな顔するなよ
       
       うっすらと生え出した毛から随分前についた傷だと分かる
       なのに君は潤んだ目をして僕と視線を合わそうともしない
       賢い君のことだから大切なものを守るためけんかしたのだろう
       大切なものを失ったこと、君の目を見ればすぐに分かる
       
       失ったものはもう取り戻せない
       もしも取り戻せたとしてもそれは今まで通りとは限らない
       君の目に映した瞳、君の耳に囁いた声、君の手に残る感触、
       君の愛するものが全く別のものになっているかも知れないんだぞ
       
       それでもいいのなら
       奪い返してこい
       それでもいいと思うのなら
       さぁ、行け、諦めるな!
       
       
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by dreaming_star | 2004-02-07 21:59 | 詩の目次1-100
詩 『 水仙のうた 』
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       港から続く径 その先に
       白い花咲く丘があるという
       夜毎 潮風吹き上げては
       ほのかな甘いうたに酔いしれる
       
       港から続く径 その先に
       小さな集落があるという
       網引く漁師のかけ声に
       合わせうたう友は水仙の花
       
       ほんのり香る春にはまだ早い
       なのにくすぐる耳の奧
       酔いしれる春の宵にはまだ早い
       なのに聞こえる水仙のうた
       
       港から続く径 この先に
       白い水仙の花咲く丘があるという
       ほのかな甘いうた声で
       今宵も潮風を酔わせているという
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by dreaming_star | 2004-02-05 05:54 | 詩の目次1-100
詩 『 あたたかな日差し 』

       
       
       あたたかな日差しに誘われて
       山に行きました
       
       山道脇に菜の花が咲いていました
       オオイヌノフグリも見つけました
       タンポポの綿毛が飛んでいました
       花たちはこぼれそうな笑顔をして
       そよ風にゆらゆら揺れていました
       
       少し肌寒い風の中にも
       あたたかな風の匂いがして
       もうすぐそこに
       春がやって来ているんだな
       なんて思いながら山道を歩きました
       
       あたたかな日差しが呼んでる気がして
       海に行きました
       
       砂辺の海草が新緑の色をしていました
       さざなみがやさしく波打っていました
       海流が大きな顔で微笑んでくれました
       はにかみ屋さんの潮風に口づけすると
       ちょっぴり甘い春の海の味がしました
       
       少し肌寒い潮風に吹かれながらも
       あたたかな春の匂いがして
       もうすぐそこまで
       春がやって来ているんだな
       なんて思いながら海辺を歩いていました
       
       僕が歩くたび
       足を踏み鳴らすたび
       春の足音が近づいて来るような
       そんなあたたかな日差しでした
       
       
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by dreaming_star | 2004-02-03 21:01 | 詩の目次1-100