カテゴリ:詩の目次1-100( 83 )
詩 『 別れのとき 』


       別れを告げようとするものに
       やさしい言葉をかけてはいけない
       やさしい言葉は
       人に過去の言葉を思い出させるから
       
       別れを告げるものに
       微笑みかけてはいけない
       微笑む瞳は
       涙に覆われて見えなくなってしまうから
       
       別れを告げたものの
       後を追ってはいけない
       例え振り向かせることが出来ても
       引き戻すことは出来ないから
       
       別れを決めた心は
       誰にも変えることは出来ないもの
       別れを決めた心を
       決めるのは自分自身だから
       
       去る者追うこと勿
       という諺があるように
       無理に後を追っても
       誰も引き止めることは出来ない
       
       別れを決めたものにとって
       無理に引き止めることは
       こころを引き離すことになる
       
       肝心なのは
       戻ってきたとき
       別れの前と同じ
       自分でいられるということ
       
       いつまでも
       あの時と同じ
       満面の笑顔で
       再会出来るこころでいること
       
       
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by dreaming_star | 2004-04-03 22:21 | 詩の目次1-100
詩 『 少年と鳩 』
       
       光のオブジェの前
       少年たちが遊んでいる
       何かの儀式のように
       摘んできた野の花を
       道に振り撒き敷き詰めている
       
       昼間の光のオブジェの前
       鳩と少年が笑ってる
       秘密を知り合った友のように
       小さな顔と顔くっつけて
       内緒の話しているね
       
       一羽、二羽、
       少年の小さな魔法にかけられて
       鳩たちは空をロンドに舞いやって来る
       
       光のオブジェに
       噴水から沸き上げ反射した虹のように
       鳩たちと少年の笑い声が広がっている
       
       飛沫く虹に、無邪気な少年の声、
       あどけない仕草に魅せられて
       少年の小さな手の魔法にかけられて
       空からやって来くる鳩たちは
       ロンドに光の中に舞い降りる
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by dreaming_star | 2004-04-02 22:13 | 詩の目次1-100
詩 『 海鳥 』
              
       遠く彼方の白き波
       そこだけぽっかり
       波浮き立たせるは
       一塊の海鳥の群れ
       
       彷徨い滑る波の間
       空目掛けて急上昇
       灰羽白の腹に翻す
       一塊の海鳥の群れ
       
       小波の調子に合せ
       目指す巡廻路の先
       常夜灯に火が灯る
       
       星々輝き始めても
       なお彷徨い続ける
       沈深の海底の上を
       
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by dreaming_star | 2004-04-01 22:07 | 詩の目次1-100
詩 『 春の北風は晴れ 』

       春先のまだ北風が吹く日
       君が教えてくれたことわざ
       僕がまだ訪れたことのない島
       君の住む石垣島のことわざ
       
       春の季節も間近になる頃
       南寄りの風 暖湿流がやって来る
       冷たい空気の残る春先に
       暖湿流が入り込むと空気が飽和し
       水蒸気が凝結して雲が出来るんだよ
       
       そう言うと
       君の呼び寄せた南風が
       さぁーっと僕の目の前を通り過ぎて行く
       見上げると空には
       もくもくと漆黒の雲が立ち込め
       今さっきまで広がっていた青い空は
       もう大粒の雨を流し始めている
       
       春先のまだ北風が吹く日
       君が教えてくれたことわざ
       僕がまだ訪れたことのない島
       君の住む石垣島のことわざ
       
       春の北風は晴れ ということわざは
       井戸水の水位が上がると台風が来る
       という意味なんだよ と教えてくれた
       はずれることの方が多いんだけどね
       君は少し照れ笑いしながら
       まだ寒い北風に吹かれて
       春先の空気の匂いをくんと嗅いだ
       
       
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by dreaming_star | 2004-03-31 21:15 | 詩の目次1-100
詩 『 霞 』

       白い被衣に身を包む山並み
       これから誰のもとに参るのか
       そう問うてみても
       地に落とした視線上げようともせず
       
       一重二重三重に広がる山並み
       宵の闇が色濃く迫り来て
       その足下に射す光をなくしても
       いっこうにその場を離れようともせず
       
       麗しい瞳見開くこともなく
       降りしきる雨が
       瞼に重く圧し掛かる
       
       地に付けた足跡を辿るように
       霞の被衣を被る山並みは
       秘め事を抱えそこに立ち尽くす
       
       
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by dreaming_star | 2004-03-30 21:53 | 詩の目次1-100
詩 『 無言 』


       海の冷たい潮風に吹かれたいときがある
       静かなさざなみだけを聞いて
       時の流れるままに潮の流れるさまに
       沈む夕日を見つめていたいとき
       そんな時は大抵何も話したくない
       口を開くと傷つけてしまいそうで
       周りにあるもの壊してしまいそうで
       鉛筆であったり、花であったり
       ときに絵画であったり、人であったり
       
       夜空の星を見続けていたいときがある
       星の輝きだけを瞳に映して
       夜が明けるまで流れる星を見つめて
       闇夜の空を見つめていたいとき
       そんな時は大概何も見えていない
       灯す明かりが影を落としそうで
       照らす角度がゼロ以下になりそうで
       ノートの端に、花瓶の下に
       ときに額縁の裏に、人影として
       
       聞こえるのは耳に押し当てた貝殻の音
       押し止める力を失ってしまった形は
       忘れられた灯台が
       二度と光らぬように
       防波堤に誰も知られず
       静かに砕け飲み込まれる波のように
       海の奥底に沈んでゆく
       ゆっくり ゆっくり
       声にならない言葉も
       心の奥底に沈んでゆく
       ふかく ふかく
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by dreaming_star | 2004-03-29 05:45 | 詩の目次1-100
詩 『 透き間 』
       
       
       時が流れ
       時に流され
       人は溢れて
       時に溺れる
       
       片手に携帯
       右耳にはヘッドホン
       一秒の時を無駄にすまいと
       もう片方の手に左耳に
       時を詰め込む
       
       五感で感じたものはみな
       一つの脳に集約され
       指令を出すのに
       どれくらいの時が必要かも知らず
       ひとは時を詰め込んでいる
       
       こころが疲れるはずだね
       絶えず緊張しているんだから
       こころが悲鳴を上げてるはずだね
       消化不良の時を飲み込んでいるんだから
       
       少しこころに透き間をつくろう
       小さな窓でも小さな穴でもいい
       こころに風が流れる
       ほんの少しの透き間
       こころの透き間をつくろう
       
       ギリギリの時間を止め
       ギズギズしたこころの病みを
       ゆっくりゆっくりと
       透き間を流れる風が潤してくれる
       
       ゆっくりゆっくりと
       時間が逆回転し始め
       そよそよと
       風がこころの透き間に流れる
       
       刻むことを忘れた時が
       透き通る風のように
       そよそよと
       こころを風に乗せて流れる始める
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by dreaming_star | 2004-03-28 00:18 | 詩の目次1-100
詩 『 さくら 』
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       さくらさくら
       さくらが咲いた
       一斉に咲いた桜たち
       みんなみんな
       こっちを見てる
       
       ちいさなちいさな
       桃色に染めた頬で
       おおきなおおきな
       笑顔の花を咲かせて
       こっちを見ているね
       
       さくらさくら
       さくらが咲いた
       桜の花咲くこの道は
       きみときみと
       歩いた散歩道
       
       ひとつひとつ
       桃色の花弁の手を
       そよそよと
       吹く風に揺れて
       振っている
       
       さくらさくら
       さくらが咲いた
       またもまたも
       笑顔の花を
       咲かせているね
       
       さくらさくら
       咲いたさくらが
       きみのきみの
       瞳にゆらゆら揺れて
       指間をすり抜ける
       
       
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by dreaming_star | 2004-03-27 00:51 | 詩の目次1-100
詩 『 しろいくも と にじばし 』


       あおしきつめた  うなばらを  とおりゆくのは  しろいくも
       しほんのかれき そのうえを  わたぼしのよに ながれてく
       はやくはやくと  あのひとの てをひきわたる  はしのうえ
       やわらかなひを  とびこえて  ともにわたるは  にじのはし
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by dreaming_star | 2004-03-25 22:24 | 詩の目次1-100
詩 『 忘れ物 』

       僕ね 今日
       電車の中に忘れ物しちゃったんだ
       赤い紙袋に入った赤い箱
       その中には中国茶セットが入ってた
       それと一緒にね
       キティちゃんの携帯ケースも
       網棚に乗せたこと
       すっかり忘れちゃって
       僕はそのまま電車を降りちゃったんだ
       
       中国茶セットって
       どのくらいするんだろうな
       お土産に貰った物だから
       値段なんて分からないけれど
       結構高そうだったな
       でもそれよりもね
       僕はキティちゃんの携帯ケースの方が
       気になってしょうがないんだ
       だって君へのプレゼント
       君の喜ぶ顔思い浮かべて買ったものだからね
       
       今頃どこを走ってるんだろうな
       中国茶セットとキティちゃんの携帯ケース
       ガタゴトガタゴト網棚の上で揺られてさ
       遠く北の地まで行っちゃってるのかな
       そしたらどうしよう
       北の地まで取りに行こうかな
       
       今頃どうしてるんだろうな
       中国茶セットとキティちゃんの携帯ケース
       ガタゴトガタゴト電車に乗って行ってさ
       僕の知らない町の駅に預けられてるのかな
       そしたらどうしよう
       君に渡したい物があるんだって言ったら
       君は付き合ってくれるかな
       
       僕独りじゃ心細いから
       君も一緒に行こうよね
       帰りは中国茶でも飲みながら
       君と僕の
       忘れられない電車の旅をしようよ
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by dreaming_star | 2004-03-25 19:47 | 詩の目次1-100