カテゴリ:詩の目次1-100( 83 )
詩 『 永遠 』

       僕が子供だった頃
       この世は永遠だと思っていた
       遊び疲れることも知らず
       このときが永遠に続くと思っていた
       
       いつからだろう
       この永遠を信じられなくなったのは
       いつからだろう
       このときに永遠を見失ったのは
       
       何でも遊び道具に変えてしまう
       想像の瞳をどこかに置き忘れて
       みんなを微笑みに変える
       おまじないもすっかり消えてしまって
       
       子供だった頃
       永遠だと信じていたもの
       「永遠」という言葉を知ったとき
       僕から全部
       流れ出ていったのだろう
       
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by dreaming_star | 2004-04-13 22:50 | 詩の目次1-100
詩 『 牡丹 』
春探し12 『 牡丹 』

       いろいろな色を重ね合わせ
       この花の色を出そうとするがどうしても出せない
       その艶やかさといい深みある緑青といい
       一筆一筆置き合わせてもこの花の色には程遠い
       
       いろいろな色を混ぜ合わせ
       この花の色を出そうと試みるがどうしても出せない
       その花弁の微薄といい地茎の張り加減といい
       偏に重ね合わせた色では到底その色にはならない
       
       赤 黄 緑 青に紫
       例えこれらの色を重ね合わせてみても
       描いた花の色はこの花のものではない
       
       巧みに作られた色で
       描く花の色には出せない
       いのちという色で牡丹の花は彩るのだから
       
       
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by dreaming_star | 2004-04-12 22:17 | 詩の目次1-100
詩 『 笑う自転車 』

       ケラケラケラ
       笑う自転車に乗って
       君はやって来る
       
       あまりにも楽しそうな笑い声だから
       てっきり君が笑っているのかと思って
       君の口元をじっと見ちゃったよ
       
       ケラケラケラ
       笑う自転車に乗って
       君はやって来る
       
       君が軽快なリズムでペダルを漕ぐたび
       自転車も豪快に笑い声を上げるから
       僕も思わずガハハと笑っちゃったよ
       
       サイクリングの間中
       笑ってる自転車
       君の速度に合わせ
       笑い方を変えて走る自転車
       
       のんびりカメさん走行の
       君の自転車
       僕らみんなを笑わせる戦術で
       先頭をひた走る自転車
       
       僕のと取り替えっこしてみないかい?
       君のみたいに笑ったりしないけれど
       スピードだけは君のには負けないよ
       
       僕のと取り替えっこしようよ
       君の笑う自転車に乗って談笑のサイクリング
       サイクリングの醍醐味はみんなで楽しむことだからね
       
       
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by dreaming_star | 2004-04-12 00:25 | 詩の目次1-100
詩 『 憎まれっ子 』
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       君はいつもそう
       やさしい言葉をかけると
        「うっとうしいなぁ。」
       そう憎まれ口を利いて
       すぐにどこかへ行ってしまう
       
       君はいつもそう
       一緒に遊ぼうと誘っても
        「今、そんな気分じゃないから。」
       そう言いお気に入りのおもちゃを持って
       さっさとどこかへ行ってしまう
       
       僕 この前見ちゃったんだよ
       君が公園の隅っこでノラの子猫と遊んでいる所を
       僕 この前聞いちゃったんだよ
       君がノラの子猫にやさしく話しかけている所を
       
       いつもは笑顔ひとつ見せないくせに
       ノラの子猫に顔をペロペロ舐められている君は
       無邪気な子供の顔してさ
        「やめろよ。」なんて言いながらも
       嬉しそうに大きな声で笑っていたね
       
       君はノラの子猫をぎゅっと抱きしめて、寂しそうに言っていたね
        「お前も独りぼっちなんだろ、俺が友だちになってやるよ。
         俺には一人友だちがいるんだけど、
         俺はみんなの嫌われ者だから、
         俺と一緒の所をみんなに見られるとさ、
         そいつまで嫌われちゃうだろう。
         だから、そいつとは一緒に遊べないんだ。」
       
       本当は誰よりも甘えん坊のくせに 憎まれ口を利いている君
       本当はみんなと一緒にいたいくせに 無理して背伸びしている君
       本当は寂しがり屋のくせに つんとして大人ぶった顔をしている君
       本当は僕らと変わんない子供のくせに 子供のくせに 君は
       
        「よし、決めた。今日から君と僕は親友だ。
         君がなんと言おうと僕は君と一緒いるぞ。これからずっとだ。」
       学校の帰り道、君を引きずるようにして公園にやって来ると
        「やめろよ、俺と一緒にいるとお前まで。」
       君がその先を言うのを遮るように僕は言った
        「そんなこと関係ないよ、そんなことするやつは僕がぶん殴ってやる。」
       
       僕はすぐにボコボコにされちゃうくらいけんかはからきしダメだけど
       君の寂しそうな顔を見るのに比べたら そんなの平気さ
       君に哀しい思いをさせるやつ そんなやつは僕に任せろ!
       ぶん殴って 蹴飛ばして 針千本飲ませてやるっ!
       
       
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by dreaming_star | 2004-04-11 08:42 | 詩の目次1-100
詩 『 手に咲く桜 』

       満開を迎え
       散り始める桜の花
       ひらひら ひらひら
       風に吹かれ
       
       満開を終え
       地に降り立つ桜の花
       ひらひら ひらひら
       春の風に包まれる
       
       まどろむ桜木の下
       満開の桜の坂道が
       夢へと誘い
       
       後追い駆けて
       掴もうとした君の手には
       満開の桜の花が咲いている
       
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by dreaming_star | 2004-04-10 23:02 | 詩の目次1-100
詩 『 無心 』

       心を見失った者は無音を恐れる
       会話は楽しむためのものではなく
       うわ言のような戯言を
       ただ繰り返すだけで
       心の通った話など聞けやしない
       
       心を見失った者は娯楽を求める
       テレビから聞こえるのは嘘の笑い
       重視されるのは視聴率であり
       視聴者など眼中にないのだから
       くだらないバラエティ番組が
       蔓延るのも無理はない
       
       気を紛らわせるために
       寂しさを紛らわせるために
       可笑しくもないのに笑い
       声高に笑えば笑うほど
       広がるのは空虚なブラックホール
       
       心を見失った者は
       その空虚感を無心だと思っている
       大きな勘違いをしていることにも気付かずに
       またけらけらと高笑いをする
       もはや
       心などどこにも残されていないくらいの笑い声で
       
       本来 無心とは
       自然であることで
       虚無に見出すものではない
       心をなくすことであり
       自身をなくすことではない
       煩悩から心を離すことであり
       意識下に宿るものではない
       自由に表現することであり
       教本に記されているものではない
       
       そう言っても
       心を見失った者は
       ただ漠然と
       無心という言葉を思い浮かべるだけで
       その意味を分かろうともしないだろう
       
       しかし
       心を見失った者は
       心のかけらをどこかに隠し持っているかも知れない
       心を見失った者が
       心のかけらを探すことにより何かを感じるかも知れない
       
       そう信じたい思いが心を見失った者に助け舟を出す
       
          ここに一枚の絵画がある
          このカンバスに描かれているのは一人の少女
          少女は民族衣装を身に纏っている
          顔はこちらに向いていて、
          目元と口元にうっすら微笑みを浮かべている
          視線はこちらには向けられていない
          少女は片手に何かを持っている
          背景は黒
          室内にいるのか室外にいるのかは分からない
       
       心を見失った者は
       無心となり この絵画を見つめる
       少女の視線の先にあるものを思い
       少女が手に握るものが何かを考えるだろうか
       そして
       語りかける少女の無言の声を聞くことがだろうか
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by dreaming_star | 2004-04-09 23:07 | 詩の目次1-100
詩 『 ショボショボの目 』

       ショボショボの目をして
       君はパソコンに向かう
       
       昨日も その前の日も
       眠ることを惜しみ
       君はパソコンに向かっている
       
       「僕が夢中になる理由なんて
        到底君には分かりっこないよ」
       
       あの日そう言った君の声が
       微かに震えていたのは空耳?
       
       「僕のことなんか
        もうほっといてくれよ」
       
       あの日そう言った君の瞳が
       揺らいで見えたのは思い違い?
       
       仮眠室の簡易ベッドに
       転がり込んだ君は
       少しの間
       寝息を立てはするが
       すぐに起き上がってくる
       
       眠り姫のスクリーンセーバー
       君の目に映る間もなく
       羅列した数字が
       また画面いっぱいに
       浮かび上がる
       
       君の目は
       数字しか
       見えなくなってしまうまで
       ショボショボに
       なってしまったの?
       
       
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by dreaming_star | 2004-04-08 23:05 | 詩の目次1-100
詩 『 涙 』

       君のこと 見つめていると
       涙が溢れ出して来るんだよ
       
       寒風が吹く海辺で
       膝小僧を抱えている君
       いつまでも いつまでも
       遠い水平線を見つめている君
       見ていると涙が溢れて来るんだよ
       
       君のことばかり見つめいても
       君の見つめているものの全ては分からない
       だからね 時にはね
       君の見つめているものを僕にも教えてよ
       
       どんなにちっぽけなものでも
       どんなにつまらないものでも
       君の見つめているものを僕は知りたいから
       涙が溢れてくるほど君のこと知りたいから
       
       君のこと 考えているとね 
       涙が溢れ出して来るんだよ
       
       小雨の降る公園で
       ブランコ揺らしている君
       もっともっと 高く遠くに
       漕ごうと勢いをつけている君
       見ていると涙が溢れて来るんだよ
       
       君のことばかり考えていても
       君の考えていることの全ては分からない
       だからね 時にはね
       君の考えていることを僕にも教えてよ
       
       どんなにささいなことでも
       どんなにくだらないことでも
       君の考えていること僕は知りたいから
       涙が溢れるほど君のことがすきだから
       
       
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by dreaming_star | 2004-04-07 23:30 | 詩の目次1-100
詩 『 虹 』
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  降り出した雨
  見つけた雨宿り先
  僕を飲み込んでしまうよな
  そこに聳え立つ急斜面
  
  その麓
  覆い尽くす木々の葉
  雨滴がピアノの鍵盤を叩くよに
  心地良いリズム奏でる
  
  紫雲の合間
  沈黙の光の中
  虹の架橋そこに現れ
  
  傾く夕日に
  瞬く瞼の裏
  またそこに虹の橋架かる
    
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by dreaming_star | 2004-04-05 22:47 | 詩の目次1-100
詩 『 干潮 』

       吹き上げる海風
       ほのかな潮の香り
       夕日の影だけが
       海面に伸びていく
       
       潮風が止み
       潮音が止み
       満たされた砂辺に
       潮干が戻り始める
       
       防波堤の上
       佇む足下の潮流は
       静かに大海に戻っていく
       
       後ろに引っ張られ
       海奥底に引き込まれるような
       錯覚を起こしながら
       
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by dreaming_star | 2004-04-04 23:55 | 詩の目次1-100