詩 『 花束の贈りもの 』

       生花を手に入れるのは
       まだ贅沢とされていたころ
       画家たちは
       その花の静物画を手本に描き
       恋人たちは
       静物画の花束を買い贈りあっていた
       それほどまでに
       生花は
       珍重なものだった
       それがいまでは
       フラワーショップへ行けば
       一年中ガラスケースに
       バラやチューリップ、ユリの
       切り花が並んでいる
       この花たちは
       蕾のまま切り取られ
       これから
       花の美しさにも気付かぬ人たちの
       部屋の片隅に置かれたまま
       愛でられもせず散り去っていく
       花は一年に数週間しか咲かない
       切り花にすれば一週間も持たない
       その僅かしか咲かない花
       一番美しい姿を描写した
       花束の贈りもの
       夢のある贈りものである
詩歌 花束の贈りもの
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by dreaming_star | 2004-09-06 22:12 |
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