詩 『 エール 』
詩集 エール
       慄々とした
       そんなきみを
       見るのは初めてだ
       
       いつもは
       ぼくを見つけると
       まぉー なんて言って
       傍に駆け寄ってくるきみが
       いつもは
       短い足で空を掻き
       ゴロゴロっと
       地面に身体を擦りつけて
       気持ちよさそうにしているきみが
       いつもは
       愛おしそうに目を細めて
       子どもたちの毛繕いしているきみが
       背を丸め
       毛を逆なで
       耳を反り返し
       威嚇する唸り声と
       空恐ろしい目をして
       目の前にいる
       それは
       ぼくに向けられたものではないと知りつつも
       きみの唸り声と鋭い目つきに
       たじろいでしまうほどだ
       
       きみが
       自ら選んだ道ではないであろう
       野良としての道
       きみは自らの身を張り
       家族を守るために
       きみは
       いま
       闘っている
       ぼくはいつも
       きみの傍に居る訳じゃないし
       きみもそんなこと
       望んじゃいないから
       ぼくはきみの邪魔などせず
       エールを送る
       負けるな、負けるんじゃないぞ!
       ぼくは両手を握り締め
       声には出さない
       篤いエールを送る
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by dreaming_star | 2004-08-29 21:25 |
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