詩 『 行け、諦めるな! 』
       
       
       そんなしょぼくれた顔するなよ
       
       赤く腫れた頭皮を痛々しそうに覗かせた君は
       姿を見せはするがそれ以上近づいてこようとはしない
       温厚な君が珍しいな、けんかなんかするなんて
       そんなことくらい分かるさ、君の目を見ればすぐに分かる
       
       今にも泣き出しそうな顔するなよ
       
       うっすらと生え出した毛から随分前についた傷だと分かる
       なのに君は潤んだ目をして僕と視線を合わそうともしない
       賢い君のことだから大切なものを守るためけんかしたのだろう
       大切なものを失ったこと、君の目を見ればすぐに分かる
       
       失ったものはもう取り戻せない
       もしも取り戻せたとしてもそれは今まで通りとは限らない
       君の目に映した瞳、君の耳に囁いた声、君の手に残る感触、
       君の愛するものが全く別のものになっているかも知れないんだぞ
       
       それでもいいのなら
       奪い返してこい
       それでもいいと思うのなら
       さぁ、行け、諦めるな!
       
       
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by dreaming_star | 2004-02-07 21:59 | 詩の目次1-100
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