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詩 『 散歩道 』

       通りを歩く
       宣伝カーのような声
       セミの鳴き声にも聞こえる声が
       ぼくの耳に聞こえてくる
       通りの向こうには
       赤や黒、ピンクの
       ランドセルを背負った子どもたちが
       黄色い帽子を
       ぺこりぺこり
       通りを挟んだこちら側の
       ぼくら ひとりずつに
       頭を下げ
       おはようございます と
       声をかけている
       
       海岸線を歩く
       敷き詰められたテトラポット
       九十二まで数えて
       ぼくは止めにする
       数えてみても
       打ち寄せる波の数は
       変わらないだろうし
       それよりも
       その先に止まるカモメを
       その数に入れるべきかどうか
       ぼくは迷ったから
       カモメは
       ここまで飛んで来たから
       マイナスなのか
       それとも
       カモメはここに留まり
       テトラポットの数に入るのか
       ぼくには
       ちっとも
       分からなかったから
       
       山道を歩く
       月夜を歩く
       星降る道を歩く
       ぼくの散歩する道には
       いろいろなものが転がっている
       ぼくは
       それらを見つけて出しては
       いちいち大喜びして
       立ち止まっては考えているから
       みんなに
       置いてきぼりにされて
       「なにぼーっとしてんのよ」
       と
       叱られてしまうんだろうなぁ
       
by dreaming_star | 2004-07-29 22:00 |
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