詩 『 夕涼み 』

       防波堤に置かれた長いす
       真昼のこの長いすには
       誰の姿も見えない
       あるのは
       ひまわりだけ
       海辺を吹き上げる潮風に
       身を揺らす
       せいたかのっぽのひまわりが
       そこにあるだけ
       
       防波堤に置かれた長いす
       月夜が照らし始める頃
       腰掛ける陰ふたつ見えてくる
       覆う雲は
       風に流され
       煌煌と輝く月が
       長いすの
       ふたつの陰を
       細く長く寄り添わせる
       
       チリリーン
       鈴のような音が聞こえてくる
       あの音は
       砂辺に打ち上げる貝殻の音なのだろうか
       それとも
       匂い袋の鈴を揺らす音だろうか
       
       チリリーン
       また鈴の音が聞こえてくる
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by dreaming_star | 2004-07-28 20:28 |
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