詩 『 ハクモクレン 』
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       あなたはいつも
       見つめていましたね
       
       葉もない枯れ木の
       日毎成長する姿を
       愛しそうに
       親御のように
       見守っていましたね
       
       あなたはいつも
       見上げていましたね
       
       手放した風船が
       空の彼方に
       消えていくのを
       泣き出しそうな
       子供のように
       見上げていましたね
       
       あなたが見つめていた木に
       花が付きましたね
       
       幾重にも広がった枝には
       羽を休めにやって来た
       鳩の群れのように
       大きな大きな白い花が
       咲きましたね
       
       あなたが見上げていた木に
       今日花が咲きました
       
       見上げた白い花は
       青空を背景に
       白い色をいっそう引き立たせ
       いまにも大空に飛び立とうと
       羽を広げる白い鳩のように
       大きな花を咲かせていますね
       
       春風がそっと流れ
       空を舞い降りる白い花びら
       大切なものを受け止めるように
       あなたは両手でそっと包み込む
       
       春風にそっと吹かれ
       あなたが手にした白い花びら
       ふわりとあなたの手から浮び上がり
       白い鳩に化身して青空へ飛び立ってゆく
       
       あなたが見上げていた
       葉もない枯れ木に
       ハクモクレンの花が
       咲いています
       
       青空の下
       春風に吹かれて
       あなたの花が
       飛んでいます
       
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by dreaming_star | 2004-03-14 21:18 | 詩の目次1-100
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