詩 『 蝉捕り 』 

       ひとりの少年が虫捕り網を持ち
       ふたりの少女が蝉を探し
       ぼくも子どもたちに加わり
       四人で蝉捕りをする
       緑葉の茂る大木の下
       あんぐりと口を開けて
       歩き回るぼくらを
       蝉たちは
       わはは わはは と
       笑うように鳴いている
       
       「あっ、いたっ、せみー!」
       「どこ?」
       「ほらっ、あそこ!枝が二つに分かれてる所のすぐ下。」
       「うん?どこー?あっ、いたーっ!」
       指差す先の蝉の居場所を
       ぼくは少年にもっとよく見えるようにと
       精一杯腕を伸ばす
       蝉を見つけた少年は
       そーっと虫捕り網を蝉に近づけ
       ばさっと蝉のいる木の幹に被せる
       「ジジジィー。」
       「あはは。」
       蝉と少女は笑う
       
       「今日の収獲は
        クマゼミ 二匹
        アブラゼミ 一匹、
        ニイニイゼミ 一匹」
       少年は
       はははーっと言う顔をして
       ぼくらに
       四匹の蝉の入っていた虫かごを見せると
       虫かごのふたを全開にして
       蝉を全部逃がす
       
       四匹の蝉が飛んで行った方向を
       ぼくらは
       それぞれ見上げる
       夕日の射し込む木漏れ日の下
       あんぐりと口を開けて
       見守るぼくらを
       蝉たちは また
       わはは わはは と
       笑うように鳴き始める
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by dreaming_star | 2004-07-22 23:05 |
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