詩 『 茄子 』
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       きみのことを考えながら
       焼いた茄子の皮が
       丁度カリカリになる頃
       きみは
       いい按配にやって来る
       焼き網から
       アツアツの茄子を
       濡れぶきんでくるみ
       ひと皮ひと皮
       丁寧に剥きながら
       ぼくはきみの話を聞く
       
       今年の茄子は小振りだけれど
       とても肉付きがいい とか
       一枝に二、三個
       実った鈴なりのトマトが
       ようやく赤くなり始めた とか
       去年出来た30センチもある
       おばけきゅうりは
       スカスカで食べれなかったけれど
       今年も出来るといいなぁ とか
       きみはそんなことばかり言って
       肝心なことを
       ちっとも言おうとしない
       
       白い肌を露にした焼き茄子に
       ぽん酢しょう油を添えて食卓に置くと
       きみは
       恰も自分のもののように
       頂きますも言わず
       焼き茄子にかぶりつく
       
       ・・・ナス オタンコナス
       きみに聞こえないように
       つぶやくぼくに
       何か言った?
       きみは
       口をもぐもぐさせながら
       満足そうな目で見つめる
       
       ・・・ナス オタンコナス
       そう繰り返せず
       お味はいかが?
       ぼくはそう言って
       精一杯の笑顔をして
       きみの答えを待つ
       
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by dreaming_star | 2004-07-12 21:27 |
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