詩 『 通り雨 』

       改札を出た先の下り階段
       踊り場は迎えを待つ人で溢れている
       肩から提げた鞄を抱きかかえ
       その人たちの合間をすり抜け階段を下る
       
       一台も停まっていないタクシー乗り場
       いつ来るかも分からないのにここにも人が溢れている
       独り善がりで我が物顔の通り雨は雨足を強め
       ひとり またひとり 列車が吐き出す人の群れを呼び寄せる
       
       列から少し離れた小さな店の軒下にきみは立っている
       土砂降りの通り雨の誘い声も聞こえないかのように
       猫のようにぶるぶるっと濡れた髪を震わせて
       通り雨の過ぎるのを透き通る青い空の瞳で見つめる
       
       アスファルトを打ちつける通り雨がきみと共に去って行く
       雨の残り香ときみの瞳を映した空をぼくは茫然と見上げる
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by dreaming_star | 2004-07-09 23:46 |
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