詩 『 居心地のいい場所 』

       居心地のいい場所と悪い場所は誰にでもある
       
       居心地のいい場所にいるときのぼくは
       空を流れる綿雲みたいに
       ぼけらーっとしている
       風に揺れる花を見ては
       そっとその花に触れてみたり
       木陰で転寝をしているネコを見ては
       ふっと笑ってみたり
       しーんと静まり返った山奥を歩き
       枯れ葉の陰からひょっこり現れる虫たちを見つけたり
       そんな場所にいるとき
       ぼくはとても安閑とした気分になり
       ぼけらーっとしていられる
       
       居心地の悪い場所にいるときのぼくは
       一分でもそこにいると
       そそくさと逃げ出したくなる
       香水の匂いをプンプンさせる
       ギラギラした目のヒトがいっぱいいて
       そのヒトたちは自分の言いたいことばかり言って
       ぼくのいうことなんかちっとも聞いてくれない
       憎悪や悪意の言葉が土砂崩れのように流れ出し
       収拾がつかなくなっても
       平然としていられるヒトのいる場所
       そんな場所にいるとき
       ぼくは運動会の日
       みんなで手をつなぎぐーっと仰け反って
       朝顔の花を咲かせたときのように
       頭がくらくらしてくる
       
       ぼくは居心地のいい場所を探して歩く
       居心地のいい場所を探して山の奧へ
       ぼくがこんなに無口になったのは
       ぼくの居心地のいい場所に
       だれも来なかったからだろう
       そんなに
       ぼくは山奥へ来たのだろうか
       それとも
       だれも探しに来なかったのだろうか
       
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by dreaming_star | 2004-06-23 21:40 |
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