詩 『 傍にいたいけれど 』

       
       赤い椿が咲いていたので
       手を伸ばそうとすると
       私を摘まないで と赤い椿が言った
       
       鴬が鳴いていたので
       近づこうとすると
       私の側に来ないで と鴬が言った
       
       赤い椿のその花弁に触れたくて
       手を伸ばしただけなのに
       鴬のその声を耳元で聞きたくて
       近づいただけなのに
       
       きっと赤い椿には
       僕の手がのこぎりのように見えたのだろう
       きっと鴬には
       僕の目がきらりと光る鷲の目のように見えたのだろう
       
       赤い椿と鴬の傍に行きたいけれど
       今はそっと見ているよ
       もういいよって言ってくれるまで
       僕はいつまでも待ってるよ
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by dreaming_star | 2004-03-01 23:27 | 詩の目次1-100
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