詩 『 ブランコ 』
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       ぼくがまだ
       子どもだった頃
       毎日のように
       ブランコに乗りに行った
       ぼくときみは
       海の見える丘に駆け上り
       一番先に着いた方が
       ブランコに最初に乗った
       きみはブランコに乗り
       ぼくはきみの背を押す
       ぼくがブランコに乗り
       きみがぼくの背を押す
       ブランコが高く揺れるたび
       「うみ、うみがみえた」と言って
       きみは振り返り
       ぼくを見て笑った
       ぼくの背を押すきみの手に力がこもるたび
       「もっと高く、もっと高く」と言って
       ぼくは振り返り
       きみを見て笑った
       
       あれからもう
       ずいぶんと経つのに
       あの頃の記憶が蘇る
       あの日照らしていた
       少し汗ばむ初夏のような日差し
       あの日嗅いだ
       少しむっとする潮風の香り
       あの日感じた
       少しドキッとするきみの手の感触
       あの日と同じ
       風が吹き
       ぼくの記憶を呼覚ます
       風が
       ぼくの
       こころのブランコを
       そっと揺らし
       「うみ、うみがみえた」と微笑んで
       海の向こうに消えてゆく
       
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by dreaming_star | 2004-06-13 21:54 |
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