詩 『 雨 』

       昨夜から
       見え隠れしている黒雲
       今朝の西の空に覆い被さり
       大海をひとっ飛びする
       シロナガスクジラのように
       がばーっと開けた大きな口で
       白雲や青空の海を
       今まさに飲み込もうとしている
       
       ぽつり ぽつり
       絹糸を垂らし滑り降りる滴
       目指した雨宿り先の水溜りに
       日の光のような水泡を見せる
       ころころと転がせ
       一瞬
       水晶のような輝きを見せると
       また静かな眠りにつく
       
       地面を踏み鳴らし
       歩み寄る黒雲の使者たち
       立ち塞ぐものは
       何もないかのように
       ぼくの影をも踏み付けに
       どっとどっとと
       足並み揃えてやってくる
       
       黒雲に追われた空から
       大粒の雨が
       ぼくを諌めにやってくる
       両手を広げ
       ぼくは
       黙って
       雨を抱きしめる
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by dreaming_star | 2004-05-31 22:31 |
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