詩 『 海鳴り 』

       どこから聞こえる
       海鳴りの声
       もう春だと言うのに
       轟々と
       耳を劈く悲鳴のよな
       海鳴りの声
       
       海鳴りよ
       お前は
       何を
       恐れているんだい
       海鳴りよ
       お前は
       何を
       そんなに
       怯えているんだい
       
       日本の角を持つ怖い顔した赤鬼かい
       頬を膨らませ風吹く坊が怖いのかい
       ぎろりとお前を睨みつける天狗かい
       黒い鱗の天立ち昇る龍が怖いのかい
       
       みんな
       お前を恐れているんだよ
       いつもお前が怖い顔して
       いまにも飛びかかってきそうな
       高波を立て強風を吹き荒らすから
       みんな恐れて
       お前に近づけないだけなんだよ
       
       お前を怖がらせている赤鬼は
       本当は泣き虫で
       お前に風を吹かしている坊は
       仲間を諸厄退散塞してくれる坊なんだ
       ぎろりとした目の天狗は
       近眼で目を大きく見開かないと見えない
       お前の前に立ちはだかる龍は
       誰かを背に乗せ天に昇りたがっているだけなのさ
       
       海鳴りよ
       お前は
       何も
       恐れることはないのさ
       海鳴りよ
       お前さんを
       怯えさせるものは
       何もないのさ
       お前が
       怖がらず
       近づいていくと
       みんなあたたかく
       受け入れてくれるよ
       
[PR]
by dreaming_star | 2004-05-13 21:41 |
<< のらねこ物語15 『 じゃすみ... のらねこ物語14 『 あっぷらー 』 >>