詩 『 ツバメ 』

       桜の花が咲き始める
       三月の終り
       ツバメたちがやって来る
       今年も来ましたよ
       そう言うかのように
       ツバメたちは
       スーイスイと
       僕の目の前を駆けていく
       
       両腕を広げ翼の真似をして
       ツバメの跡を追いかける
       地面すれすれを飛ぶツバメたちは
       パッと尾を広げると
       ふわふわの毛を空へ向け
       急上昇する
       跡を追いかけ
       僕は空を飛び
       ツバメになる
       
       ツバメの僕は
       人の言葉を失った
       その代わり
       人の目になろうとした
       森の中を
       小川の上を
       木々の合間を
       飛び廻り
       ツバメの目で
       見たもの
       感じたもの
       その想いを
       伝えようとした
       
       だが
       僕は所詮ツバメ
       ツバメの僕の目は
       人の目に映すには
       あまりにも小さすぎたのだ
       人の言葉を失った
       ツバメの僕は
       人の目には映らない
       想いを抱えたまま
       空の彼方を
       彷徨っている
       
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by dreaming_star | 2004-05-11 21:14 |
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