のらねこ物語192 『 ララ、肉球登録をする 』
のらねこ物語 ララ、肉球登録をする こねこ 写真

ララはチャトラといっしょに草原にいました。
草原を駆け抜ける風がさらさらと
小川を流れる水のように草原をなびかせていました。
風が止むとふたりは、飛び跳ねたり、束ねたりして
草原から聞こえてくる声を聞いて遊んでいました。

そこへ、数人のひとがやって来ました。
上着なしのノーネクタイ、
今、流行のクールビズなスタイルでした。
「ねぇ、きみたち、この春、生まれてきたんだよね。
ぼくたちこういうものなんだけれど、
きみらは、肉球認証って知ってるかな?」
そのひとりがYシャツの胸元から名刺入れを取り出すと
その中から一枚取り出してララとチャトラに差し出した。

その名刺には、のらねこ調査団 第一課長 根古屋猫六。
その下に小さなエコマークがあり、この紙は再生紙を使っています。
と、書いてありました。

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ずーっと名刺を見続けて、顔を上げないララとチャトラに
根古屋猫六は、しびれを切らし毎度の勧誘トークをし始めました。
「みんなは、肉球認証って知ってるかな?
えっつ!知らない?
じゃ、手のひら静脈認証って知ってるよね?
手のひら静脈は、一人一人パターンが異なり、
血流があるかどうか検知して認証する最新技術!
人間が手のひらなら、ねこは肉球、
そうお考え下さったら結構です。
肉球認証は個人を認証するだけでなく
もしものときの天災にも安心を保証し、
その上、その他の特典もございます。
どうです?
あなたのもしものために、肉球認証をしてみませんか?」

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「はーい!」
ララは元気よく手を差し出しました。
勧誘に唆されたのではなく、
見るものが新鮮で、何にでも興味を持っていたからです。
「あなたもいっしょにどうですか?」
と、チャトラも誘われましたが、

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「また今度にします。」
と、チャトラは出しそうになった手を引っ込めました。

ララとチャトラは
おかあさんの教えに忠実に従ったのです。
ララは、
「自分がよいと思うことには、何にでも挑戦しなさい。」
と、いう言葉に、
チャトラは
「疑わしいことがあれば、しばらく様子を見て判断しなさい。」
と、いう言葉に。

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by dreaming_star | 2005-07-30 22:14 | のらねこ物語
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