詩 『 折り紙 』
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       「今日も雨ね」
       君は少し寂しそうな声で
       器用な指先で
       折り紙を折っていた
       
       面と面とを重ね折り
       山と谷の線を作る
       一体何が出来るのか
       僕には全然見当もつかない
       
       「雨の日は退屈ね」
       君はそういいながら
       楽しそうな目で
       折り紙を折っていた
       
       小さく折りたたんでは開き
       折りたたんではまた開き
       順序よく君の器用な指が
       線を重ねていく
       
       「激しく降りだしたわね」
       君は心配そうな顔をして
       窓の外を見ると
       また折り紙を折り始めた
       
       面と面とを重ね合わせ
       山と谷の線ででこぼこの円を作る
       一体何が出来るのか
       まだ僕には分からない
       
       「雨が止んだわね」
       君はそう言い
       大きな背伸びをすると
       僕の前に折り紙を置いた
       
       「あなたにあげるわ」
       君は微笑み窓越しに空を見上げていた
       手のひらに小さな赤いバラを乗せ
       僕も雨上がりの空を見上げた
       
       
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by dreaming_star | 2004-02-16 23:14 | 詩の目次1-100
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