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春一番

       被いた帽子を右手で押さえ
       スカートの裾をひるがえし
       頗る元気な笑顔を振りまいて
       あなたは颯爽と駆けていく
       
       青い空を左手でかき分け
       透き通る歌声は天にも届くほどに
       美しいセレナーデを奏でながら
       あなたは優々と昇っていく
       
       ぼくは待っていた
       あなたが来るのを
       
       野に咲く花や草の木が
       あなたの歌声に誘われて
       芽を出し歌い出す
       そのときを
       
       ぼくは待っていた
       あなたが歌い出すのを
       
       からからに乾いた木の根が
       あなたの歌声に導かれ
       注がれた水を口に含み
       息を吹き返し
       春の訪れを告げる
       そのときを
       
by dreaming_star | 2005-02-23 23:27 |
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