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詩 『 雨のち晴れ 』

       雨の降る日は刹那く独り
       降り続ける雨の中
       次第に体温は奪われ 
       つま先の感覚も無くなって
       空しく走る雨を見続けている
       
       涙雨、さようなら
       告げた声が雨の跡を追うように
       黒く覆っていた雨雲を散らして
       呼び寄せた夕日が
       海面に明々と姿を連ねていく
       
       雨のち晴れ
       こころは天秤のように
       寒と暖の間を揺れ動く
       こころの比重が傾く度
       涙と微笑を繰り返す
       
       雨のち晴れ
       こころは小波のように
       寄せては返し揺らめく
       こころの比率を量る度
       雨と涙を微笑みに変える
       
       雨の降る日は刹那く独り
       でも今はツレナイ想いの雨の中
       消え去る前にもう一度
       君と歩いたこの道を
       雨と一緒に走り抜けている
       
       涙雨、さようなら
       告げた声が雨の跡を追い
       小さな心の糧となり
       君の声を消し去る前に
       僕は満ちてくる小波に思いを託す
       
       夕焼けが現れ
       君もすぐ傍で笑ってる
       雨が目が沁みて
       僕は上手く笑えない
       
by dreaming_star | 2004-04-14 20:36 | 詩の目次1-100
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