詩 『 北風と西風 』

       曇り空を連れて
       北風がやって来る
       この先は行き止まりだと
       言わんばかりに
       北風は大きく手を広げ
       得意な顔をして
       ぼくの行く先を阻む
       
       しとしとと
       降リ出した冷たい雨
       容赦なく降り続く雨に
       何重にも重ねた衣服は濡れそぼリ
       体温は奪われていくのに
       途方にくれた子供のように
       ぼくはその場に突っ立ったまま
       
       ぼくは知っている
       もうすぐ風向きが変わることを
       山を越えて西風が
       吹いて北風を追い払うのを
       
       ぼくは嗅いでいる
       真正面から吹いてくる北風の中
       鼻奥底の嗅覚が
       微かに薫る西風を嗅ぎ取っている
       
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by dreaming_star | 2004-12-29 23:06 |
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