詩 『 あの日の雪 』

       大雪の降ったあの日のことを
       ぼくは今でも鮮明に
       思い出すことが出来る
       
       朝目覚めると
       窓から差し込む日差しが
       妙に眩しかった
       小鳥の囀りが全く聞こえず
       妙にシーンと静まり返っていた
       
       この世に音など存在しないかのように
       この世の音という音を
       吸収してしまったかのように
       
       全ての音が無くなり
       そこに存在するのは
       ただ静まり返った
       寒々とした空気だけであった
       
       この閑散とした雰囲気に
       包まれながら
       今までに無い空気の中に
       何か安閑としたものを感じた
       まだ見ぬ外観に
       安楽を感じ取ってしまった
       
       窓を開けた途端
       眩いばかりに
       あたり一面
       白銀の世界
       
       山積の如く軒下に
       積み上げられた雪
       山陰にひっそりと佇む雪の城
       
       
       
       ただひっそりと
       そこに佇む白い雪に
       辺り一面の白銀に
       
       時を忘れ、嘆声も忘れ
       幼心に“完璧な美”を
       鑑賞した気がした
       
       眩いばかりの朝日を浴びて
       光り輝く雪の結晶
       軒先に連なる半透明なつらら
       枝先に降り積もる
       満開の雪の花
       
       ゆき、ゆき、ゆき
       奇声をあげて
       部屋を飛び出したい
       
       弾む心とは裏腹に
       ひっそり、静かに
       この美を鑑賞する
       
       ただひっそりと静まり返る
       雪の声に耳を傾ける
       
       囁く
       微かにささやく雪たち
       降り積もる
       積素のように滑らかな
       雪たちの声
       
       耳を澄ませば
       雪のささやきが聞こえてくる
詩集 あの日の雪
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by dreaming_star | 2004-12-23 22:38 |
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