詩 『 トパーズ 』

       どどどーっ
       息弾ませて駆けてくるなり
       ふんっ
       きみは右手を差し出す
       小さな手のひらには
       くすんだ黄色の
       岩石のような石が
       乗せられている
       なんだよ、これ
       そう言いたげな顔をしていると
       「とぱーず、さっき川原で見つけた」
       きみは
       ふんぞり返りそうなくらい胸を張って
       そう言った
       
       ちょうど一ヶ月前
       ぼくはトパーズの話をした
       
            きみはトパーズって知ってるかい?
            トパーズは鉱石
            高山から掘り出された
            有用な金属を含む岩石なんだ
            主産地は
            ブラジル、パキスタン、スリランカ
            色は無色透明で
            まれに黄、青、ピンクや緑の
            色彩を持ったものもある
            トパーズと言えば
            黄色ってイメージがあるけれど
            それは昔、
            日本では
            トパーズは黄玉とも言われ
            とても重宝されていたからなんだ
            トパーズは黄色ってイメージする人が多いのは
            その名残からなんだろうね
            トパーズの名前の由来は
            ペリドットの産地、紅海の島
            “トパーシオ”(ギリシャ語)や“トパゾン”
            という島の名前に由来すると言われている
            トパーズは11月の誕生石
            ぼくの生まれた月は11月だから
            ぼくの誕生石でもあるんだ
            トパーズをお守りとして身に付けると
            悲しみを払い、知性と勇気を強め
            金台に取り付け首にかけると
            呪いを払うと云われている
            トパーズはぼくの守護石なんだよ
            トパーズの宝石言葉は
            友情、希望、潔白
       
       そんなことを延々と話した
       そのことをきみは覚えていて
       きみの頭に思い描いたトパーズを
       きみは川原で見つけるなり
       一目散にぼくのもとに駆けてきて
       そのとぱーずをぼくにくれようとしている
       ぼくはきみのその気持ちがうれしくて
       きみの手渡してくれるとぱーずを手にし
       太陽にかざしてくるくると回す
       きみの澄んだ瞳に映る川原の石は
       トパーズ色に輝いていた
       「とってもきれいなトパーズだね」
詩集 トパーズ
[PR]
by dreaming_star | 2004-12-19 23:09 |
<< のらねこ物語169 『 ごはん... 360度首が回るねこ? >>