詩 『 かもめ 』
a0001563_22205287.jpg       「かもめは鳥よ、鳥なのよ!」
       きみは頬を膨らませ
       ぼくと合った視線を逸らすと
       そのまま、
       海面に映るかもめを見つめている
       
       「かもめは鳥の姿をしているね」
       ぼくはきみに反論したくないから
       それから先のことは言わず
       きみの瞳に映るままに
       かもめを海に泳がせる
       
       かもめには翼がある
       その翼で大空に飛んで行けるのに
       かもめは空を飛んで行かない
       それがどうしてだかきみに分かるかい?
       そう言いたいのをぐっと抑えて
       
       かもめは恋しているのさ
       海に
       だから、
       かもめは
       海から離れようとしない
       
       満潮のときは遠瀬で
       干潮のときは浅瀬で
       クワーッと鳴く
       かもめの声を聞いたら
       海に求愛しているときなんだ
       
       海に恋したかもめは
       本当は海になりたい
       でも、かもめは海になれない
       だから、鳥の姿を海面に映し
       その姿が消えないように
       海から離れることが出来ないでいる
       
       海に恋するかもめは
       持った翼を羽ばたかせ
       海面を行き来し飛んでみせて
       海への愛情を示すことしか出来ないから
       鳥の姿をしているんだよ
       
       かもめは
       鳥の姿をしているように見える
       だけど
       かもめは
       本当は
       海になりたいと思っているのさ
       
       海になりたいかもめは鳥ではない
       こころが海ならば
       かもめは海
       鳥の姿をしている海だと
       ぼくは思う
       
       ~海に恋したかもめ~
詩集 かもめ
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by dreaming_star | 2004-11-27 22:21 |
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