詩 『 どうして? 』
       
       母さん
       聞いてもいい?
       ぼくはどうして
       生まれてきたの?
       
            それはね
            母さんと父さんが愛し合って
            あなたが生まれたのよ
       
       ううん
       母さん、よく聞いて
       ぼくはね
       そんなことを聞いているんじゃなくて
       ぼくがこの世に生まれてきた理由
       ぼくはどうしてこの世に生まれ
       ぼくは何をするために
       この世に生まれてきたかってことを
       聞いているんだよ
       
       母さん
       母さんはいつか
       ぼくに言ったね
            
            はっきりものを言いなさい
            あなたが何も言わないから
            母さんには
            あなたの気持ちが分からない
            あなたが何を考え
            どう思っているのか
            母さんには
            全然分からないのよ
       
       そう言ったね
       ぼくはね
       何も考えていない訳じゃない
       いつも考えている
       ぼくはどうしてこの世に生まれ
       何をするために
       生まれてきたんだろうってね
       
       ぼくの自我が芽生えた時
       小学生の高学年の頃だったと思う
       そんなことを思い始めたのは
       母さんは知らないだろう?
       その頃
       ぼくももやもやっとした
       考えしか持っていなかったから
       母さんには話さなかったし
       誰にもそのことを告げなかった
       
       そのぼくも
       今は社会人となり
       世の常、人の情、
       それなりに見てきたつもり
       でも
       それでもね
       ぼくには分からない
       いまになっても分からないんだよ
       ぼくが
       生まれてきた理由
       ぼくは何をするために
       どうして
       この世に生まれてきたのか
       その理由を
       見つけることが出来ないのさ
       
            そんなこと
            よく考えてみれば分かるじゃない
       
       母さんはきっと
       そう言うだろう?
       だからね
       ぼくは考えているんだ
       いつも、いつも
       
       夕暮れになると
       どうしておばあちゃんは
       般若心経を唱えていたんだろうとか
       人間の幸せのかたちって
       なんだろうなってね
       いつも、いつも
       そんなことを
       ぼくは考えているんだよ
       
       でも
       でもね
       ぼくは上手く言葉に出来ないんだ
       だから
       母さんに教えて欲しいのさ
       
       ぼくはどうしてこの世に生まれ
       ぼくは何をするために
       生まれてきたかってことを
       母さんに
       教えて貰いたいんだよ
       
       ねぇ、母さん
       ぼくはどうして
       生まれてきたの?
詩集 どうして?
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by dreaming_star | 2004-11-23 20:18 |
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