詩 『 心を配る* 』

       ぼくらは歩いている
       一日、二十四時間という日常の道の上を
       その間、ぼくらはどれくらいの距離を歩き
       心を配って回ることが出来るのだろう
       
       言葉を配って歩くことは容易なことだ
       おはよう、こんにちは、こんばんは
       ぼくらは挨拶さえしていれば
       地球上を一周くるり回れるのだから
       
       だが、心を配るには
       それ相応の時間
       四つの時間が必要となる
       
       一つ目は
       目を配る時間
       相手をよく見、観察する時間
       相手が何を望み、何を要求しているかを
       吟味する時間が必要である
       
       二つ目は
       気を配る時間
       相手が何に喜びを感じ、どんなことに怒り、
       また、悲しみに打ちひしがれるときは
       どんな心境であるかということに
       興味を持ち、一緒に涙するまでに
       気持ちを配る時間が必要である
       
       三つ目は
       思いやる時間
       相手の要求を呑み
       その要求に叶えてようとする
       思いやりの心を持つことにより
       ようやく、ぼくらは
       四つ目の
       心を配ることが出来るのだ
       
       ぼくらはいつも
       時間を気にして歩いている
       歩く間、ぼくらは気付いている
       心は配ることが出来ないということを
       でも、ぼくらは少しでも心を配りたくて
       心の底から取り出した出来そこないの言葉を
       ひとつ、ふたつ 言葉にしてみたりするのだろう
       
       ぼくらは心は配れなく
       でも、心に付随する何かを配りたい
       そう思う心が
       ふっとついたため息のように
       言葉となって
       限られた時間の中を歩かせているのだろう

*ちょこっと推敲。(11/10)
詩集 心を配る
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by dreaming_star | 2004-11-09 23:25 |
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