詩 『 けんおんくんさま 』

       けんおんくんさま
       ずいぶんとお会いしていませんでしたが
       お元気でしたか?
       あなたとお会いするのは
       何ヶ月振りのことでしょう?
       以前
       あなたとお会いしたのは
       春の風が温かみを帯びる光の中
       夏の風が吹き始めた頃でした
       山の木々も衣替えを始め
       青い衣装に身を包む眩しさが
       昨日のことのように思い出されます
       あなたとお会いしたのは
       夏の訪れを感じた数日後のことでした
       あの日は
       前夜から降り続く雨が
       朝方にも
       ひんやりとした風を吹かせていました
       寝相の悪いぼくは
       いつものようにふとんの上をゴロゴロし
       挙句の果てには
       掛け布団を蹴飛ばしてしまっても
       朝が来るまでぐっすり眠っていました
       運悪くというか
       ぼくの不注意からなのですが
       その日ぼくは
       部屋の窓を開けたままにしていたものですから
       寝ている間中寒風にお腹を晒してしまい
       案の定体調を崩し
       あなたのご厄介になることになりました
       あのときはお世話になり
       本当にありがとうございました
       再び、同様の愚行で
       あなたにご面倒をかけること
       深くお詫びを申し上げます
       お詫び次いで申し訳ないのですが
       けんおんくんさま
       あなたにお願いがあります
       冷静沈着なあなたのことですから
       そのようなことはないと思うのですが
       突拍子もない数値を出して
       ぼくを驚かせないで下さい
       37.8℃などと
       ぼくの平温からは程遠い
       数値を弾き出して
       ぼくを唸らせないで下さい
       けんおんくんさま
       明日は冷静な計測を
       どうかお願いします
       ではまた明朝
       お会いしましょう
       おやすみなさい
詩集 けんおんくんさま
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by dreaming_star | 2004-11-05 22:46 |
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