詩 『 郵便屋 』

       おいらは郵便屋
       郵便ポストに投函された
       はがきや手紙を
       集配して回るのが仕事さ
       
       ひと昔前はよかった
       朝の一便は午前七時
       早起き鳥が朝の集会を終えて
       巣に戻ってくる頃さ
       四五十はいただろうな
       一群の鳥たちは
       一羽も乱れることなく
       黒い目になるスイミーが
       赤い魚たちと
       自分たちよりも
       大きな魚に立ち向かった
       あの赤い魚の群れのように
       朝の訪れを確かめ
       喜びを分かち合って
       チュンチュン鳴いて
       飛んでいたのさ
       その鳥を眺めながら
       おいらは郵便物を集配して回る
       なんだか
       朝を配って回る
       サンタクロースになった気分だったのさ
       いまじゃ
       電子メールが主流なって
       郵便の数もめっきり減った
       数少ない郵便物の中には
       宛先も書いてない手紙だってある
       せっかく投函されたのに
       大切なことが書かれた手紙だろうに
       おいらは
       早起き鳥が飛ぶ頃になっても
       サンタクロースになることが出来ない       
       おいらは
       その手紙を配ることが出来ない
              
       おいらは郵便屋
       郵便ポストに投函された
       はがきや手紙
       郵便物を集配して回るのが仕事
       でも
       宛先のない郵便物は届けられない
詩集 郵便屋
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by dreaming_star | 2004-10-19 20:57 |
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