詩 『 迷路 』

       迷ってしまった
       迷路に迷い込んでしまった
       
       森の奥深く
       聞こえてくるカナリアの声
       頼りに歩んで来た道も
       夜毎深まりゆく秋の風が
       寂しく吹き荒み消して行く
       
       歌い続けることに
       興味を失ったカナリア
       ぼくの傍を飛び交うばかりで
       ちっとも歌おうとはしない
       
       歌ってくれ
       歌いつづけてくれ
       
       歌を忘れたカナリアは
       森の奥深く
       止まり木にじっとしたまま
       歌おうとはしない
       
       迷ってしまった
       迷い込んでしまった
       
       森の奥深く
       頼りのカナリアの声も聞けず
       一点の光も見えない
       迷路に
       ぼくは
       迷い込んでしまった


詩集 迷路
[PR]
by dreaming_star | 2004-10-13 21:46 |
<< 詩 『 凪 』 詩 『 現れぬ月光 』 >>