詩 『 足下を見て歩く 』
a0001563_22261643.jpg詩集 足下を見て歩く 写真 シロバナマンジュシャゲ(シロバナヒガンバナ)
       足下を見て歩こう
       足下を見て歩こう
       昨日決めたことだから
       今日は一日
       よーく見て歩こう
       
       ぼくは
       靴紐を結び直し
       勢いよくドアの外に駆け出す
       ぼくの目に
       まっすぐに
       真っ青な空が飛び込んでくる
       一瞬目眩のようなものを感じ
       ぼくは目を閉じる
       再び目を開けると
       先程感じたような眩さは
       空にはなくなっている
       
       空よ
       青空よ
       今日一日
       ぼくの邪魔をするんじゃないぞ
       そうひと声かけると
       青空は分かってるよ
       とでも言うかのように
       くすっと笑ってウインクをする
       ぼくもウインクを返し
       青空の色の目を足下に移し歩き出す
       
       足下を見て一歩ずづ
       歩を進める毎に
       昨日歩いた道も
       全く違う道に見えてくる
       面白いように
       足下の世界が広がってゆく
       獲物を抱えて蟻んこが
       うんしょと巣へと運んでる
       草陰で鳴くコオロギが
       ぴょんと飛び跳ね顔を出す
       畦道に咲くあの花は
       シロバナマンジュシャゲ
       
       昨日も同じ道を歩いたはずなのに
       青空ばかり見上げていたから
       この足下に広がる世界を
       ぼくは見失っていたのだ
       青空にひとこと
       小言を言ってやろうと
       見上げる空には
       うっすらと
       三日月が光っている
       どうやら足下の世界は
       流れる時間も
       青空のようには
       急ぎ足ではないようだ
       
       足下を見て歩こう
       足下を見て歩こう
       地を這う虫たちの姿を
       地に張る花たちの根を
       よーく見て歩こう
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by dreaming_star | 2004-09-20 22:25 |
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