詩 『 そらの伝言版 』

       いつものように
       ぼけらーっと
       空を見上げていると
       いつの間にやって来たのか
       きみはぼくの隣にちょこんと座り
       ぼくと同じように空を見上げている
       
       あいさつがてらに頭を撫でると
       きみはうつ伏せになり
       気持ちよさそうに目を細める
       ぼくはきみの頭を撫でながら
       空を見上げて
       いつものひとりごとを始める



       
       
              きみは知ってるかい?
              そらが伝言版だっていうことを
              人間だけじゃなくて
              犬や猫
              花や木や虫たち
              地球上すべての
              生きものたちの伝言版なんだよ
              みんなの伝言版だから
              そらはすぐに埋もれてしまう
              伝言に埋れないよう
              太陽は一日中走り回って配達してくれる
              それはもう
              太陽ひとりの力じゃどうしようも出来ないほど
              毎日たくさんの伝言が寄せられるんだ
              伝言に埋れた太陽を不憫に思ったね
              太陽の仲間たち
              月や雲、風たちも
              配達してくれているんだよ
              月は月灯りと星に乗せて
              雲は雨たちを引き連れて
              風たちは暢気に鼻歌なんか歌いながら
              犬には犬の
              猫には猫の
              花には花の
              木には木の
              虫たちには虫たちの
              言葉に変えて
              地球上すべての
              生きものたちみんなの
              伝言を伝えてくれているんだよ
              
              きみは知ってるかい?
              最近天災が多いのは
              どうしてだか分かるかい?
              それはね
              そらに届けられた伝言は
              ぼくら人間にも
              きちんと配達されているんだ
              けどね
              ぼくら人間は
              ちっとも聞こうとしない
              太陽と太陽の仲間たちが
              あんなにあくせく走り回って
              届けてくれた伝言に
              耳を傾けようともしないんだから
              太陽も怒りたくなるよね
              太陽だけじゃない
              伝言を届けてくれた太陽の仲間たち
              花や木、虫たち
              海や山や大地
              伝言を手向けた生きものたちだって
              怒るのは当然だよね
              太陽は温暖化現象を起こし
              風は台風となり
              海は荒れ狂う津波となり
              大地は怒りに震え地震となって
              聴け、聴いてくれって
              ぼくら人間に警告してるんだけど
              だれも
              全然聴く耳も持たないんだ
              どうしたらいいんだろうね
              
       
       きみはチラッと目を開けて
       ふぅーんと大きなため息を吐くと
       また目を瞑ってしまった
       ぼくはそらを見上げ
       きょろきょろときみの伝言を探す
詩歌 そらの伝言版
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by dreaming_star | 2004-09-09 22:56 |
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